『BATMAN BIGINS』

 千葉の駅からモノレールが出ているのをご存知だろうか?僕は千葉の街の上をモノレールが走る姿を見て、未来都市を目の当たりにしている気がしたものだった。何か空中を走行する乗り物というのが  “未来都市の象徴”のような気がするのだ。

 で、『BATMAN BIGINS』はゴシックなイメージの薄汚れた高層ビルの立ち並ぶゴッサムシティの合間を、その“未来都市の象徴”モノレールが滑走する!ああ、未来都市!そして、そのビルの下ではまるで黒澤明の『天国と地獄』ように貧富の格差があり、貧民窟が横たわっている。
 今回の舞台イメージは、比較的リアリティを追及したものになっている。Mr.フリーズあたりのド派手なゴッサムシティより、こっちの『ブレードランナー』とか『ダークエンジェル』っぽい薄汚れた未来都市みたいな今回のほうが僕は好みだ。物語がエンターテイメントというより成長の物語として描かれている表れなのだろう。
 物語の流れは、今考えてみると昔の香港カンフーアクションみたいだ。
 両親を殺され、自らを鍛え悪に立ち向かう。学ぶのが忍術ってのがちょっと漫画チックだが、まぁ良いだろう。何にしても人が変わっていく様はやっぱり面白い。
 その過程の中で、何故バットスーツを着なくてはならないか、どうやって作られたか、武器はどう調達されているのか等、細かいところまで描かれていて、意地悪な見方をすると『バットマン大百科』的なノリがある。
 しかし、アメリカのヒーローもの見ていて不思議というか印象的というか、気になるのは、コスチュームを自分で作るシーンがある事だ。
 すべてのヒーローものがそうでは無いだろうが、今回もブルース自らラッカーで(!)バットスーツ塗っていたし、『スパイダーマン』も自分でコスチュームを考えてノートに色々案を書き出したりしていた。そう言えば、バットマン2作目でキャットウーマンは自らコスチューム縫ってたなミシンで・・・。
 アレって僕には結構ショックだったりする。ミジメっぽいというか、庶民臭いというか。日本のヒーローで自分でチクチク夜なべでコスチューム編んでるヤツっていないと思う。文化の差なんかなぁ。
 役者としては久しぶりにゲイリー・オールドマンを見た。うわー、普通の人やってる。本当に普通の人だ。良い演技だ。良いな、やっぱりG・オールドマン。昔から思っているのだが、この人の身振り手振りって日本人っぽくないか?なんだか分からないが欧米人ぽく無い。手を挙げて「やぁ」と軽く挨拶したりするんだが、その所作がなんかバタ臭くなくて不思議。


 総括としては、良い作品だと思う。
 敵は地味だし、バットマンの戦い方も過去の作品と比べスタイリッシュではない。
 が、今回はそんなのは、割りとどうでも良くて(いや、良くないけど。でも今回だって悪くないよ?)、かつ目するべきは、人と人のコミュニケーション。会話の妙に注目していただきたい。キーワードとして出てくる印象的な言葉が出てきて、それが作品の厚みになっている。特にアルフレッドが良い。良いんだ、このおじいちゃん。言う事がいちいち気が利いてるんだ。
 故に今作は『絆』ってあたりに注目すると面白く見れるかもしれない。

 しかし、渡辺謙、ちょっと可愛そうだな・・・。もっと大きい扱いなのかと思ったのに。
 あと、なんで日曜の昼だったのにあんなにガラガラに空いていたんだろう?バットマン人気無いのかな?あんなにロビーにいた人たちは一体何を観に来ていたんだろう?Zガンダム?戦国自衛隊?まさか電車男じゃないだろうな・・・
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by skullscafe | 2005-06-19 23:02 | 映画


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