『COFFEE&CIGARETTES』

 僕はどうも、映画中毒らしく、週のうち最低1本映画を見ないと、ソワソワするというか、虚脱感に襲われる。もっと酷い場合は、体が痙攣し耳が尖ってきて口が耳まで裂け、吠え出す。更に悪い場合は口から緑色の液体を吐き出し宇宙と交信をし始める。
 嘘だ。他愛のない。
 でも、映画中毒気味なのは本当だ。どうにも我慢できない。

『COFFEE&CIGARETTES』
ジム・ジャームッシュの作品。
コーヒーと煙草で短い時間をそれぞれ過ごす人々のオムニバス。THE WHITE STRIPESも出演している!

 居心地の悪い噛み合わない会話の間をコーヒーと煙草で埋める。誰にでもそういう事ってある。あまり仲が良くない相手と2人で時間を過ごさなくてはならない。つかみ合いの喧嘩はしないが、一触即発の状態。あるいは、共通の会話が無くて話が続かないとか。でも、そこにコーヒーと煙草があればやり過ごせる。そんな人々がこの作品の中にはあふれている。イギー・ポップとトム・ウェイツの話と、ケイト・ブランシェットの1人2役の話、そして、最後の話は特に秀逸。ハワイアンの流れる喫茶店で一人トム・ウェイツを待つイギー・ポップの居心地の悪そうな表情が堪らん。
 そして、それぞれのショートストーリーは個々で独立しているが、微妙にちょっとずつリンクしていたりする演出がニクイ。
 しかし、作品内で『コーヒーと煙草で昼飯を済ませるなんて』『煙草は体に悪いぞ』というセリフが連呼されるのだが・・・サブリミナル効果か!?しかも逆説的な。煙草やめて5年くらいになるけれど、吸いたくなった。吸わないけどね。
 この映画の中では、劇的な事件は何も起こらない。淡々と人々は話し、コーヒーを飲み煙を吐き出す。それだけだ。だけど、面白い。
 物語には特に銃も血も殺しも無くても充分成立するんだ。こういう映画を見るとそういうことに気づかされる。行定勲監督の『きょうのできごと』みたいに。そういえば、その作品で行定監督は、同監督作の『ストレンジャー・ザン・パラダイス』を参考にしていたりするらしい。この作品もまた特に何も起こらない作品だった。どうやったら、そんな物語が作り出せるだろう。僕にも作れるだろうか。

 ビル・マーレイはこの映画の中で、コーヒー中毒だった。『コーヒーを飲みすぎると幻覚を見る』そうだ。
 映画中毒の僕は、映画を見すぎるとどうなるだろう。
 映画という幻覚を見続けているのだからこれ以上幻覚を見ることも無いだろうし。きっと僕は現実をより生生しく感じるために映画を見続けるのだ。
 嘘だ。
 映画を見るのは現実逃避だ、ただの。映画を見ることでやっと現実と折り合いをつけているんだ。
 なんか今日はネガティブだな








■今日のBGM■
『SONORITE』
山下達郎

TSUTAYAで借りてきた。
良いよー。タツロウ。そりゃぁ竹内まりやも惚れるわ。
なんでこんなに心地よいんだろう。
音には非常にこだわりを持っていらっしゃる氏の事だから、録音にも相当気を使っているだろうなぁ。いや、もちろんその前に曲が良い、声が良いのもある。
ラップも入ってるし(ラップ部分は山下達郎では無い。声が似てるけれど)、非常に意欲作で聴きごたえ充分。
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by skullscafe | 2005-10-17 00:01 | 映画


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