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『ロシア絵画の神髄』

 東京都美術館で現在やっている『ロシア絵画の神髄』を見に行く。
 特に、ロシア美術についての知識があったわけではなかったが、駅のポスターを見ていてどうにも気になって仕方なくなってしまい堪らず見に行ってしまった。
 GW中だし、激混みかなと思ったが、もうスッカスカ・・・むしろGWだから皆もっと遠出しているのか。美術館といったら上野じゃなく、ルーブルとかプラドとかテイトとかに行ってるのかもしれない・・・ゆったりと見れる。ちょっと肩透かし食らった感じで寂しい気もするが、絵を鑑賞するにはもう抜群(by石原慎太郎)な環境。最高。
 あんまり人がいなかったけれど、内容は非常に良い。これは是非一度見たほうが良いんじゃないか。今の時代だからこそ見る価値がある。
 近年、雑誌や町の中とかでよく見かける絵は割とライトな感覚のものが多いような気がする。この傾向は『ヘタウマ』と言う、上手いんだか下手なんだか、下手だけど味がある、と言った絵が認められて以来、横行し始めたと思う。
 そこに来て、ロシア絵画。今回の絵は1800年代前後のものが多いのだが、非常に緻密に描かれたものが多い。リアリズム。
 中でも

 ピョートル・スホデリスキーの『村の昼間』
 イヴァン・シーシキンの『冬』
 イヴァン・アイヴォゾフスキーの『天地創造』

 はとても気に入った。
 『村の昼間』『冬』は風景画。その場の雰囲気・空気感が絵から滲み出てきている。
 『村の昼間』は長閑な春が訪れた村の様子。草は茂り人々はリラックスしている。風が草をなでる音、絵の中の人々が感じている太陽の温度を見ている僕らも感じることが出来る。
 『冬』は雪の積もる森の中。針葉樹にかかる雪。太陽の淡い光。しかし、森は暗くなく、雪の白さが光を優しく反射して淡く森を包む。何となく日本画を見ていると錯覚する。ロシアはもしかしたら感性がヨーロッパでなく日本寄りなのかもしれない。
 『天地創造』は、すごい。
 195cm×236cmという大きなキャンパスに神が世界に火水土風の4大要素を作った瞬間を描いているのだが、この絵、9時間で完成させた絵だという。
 遠くから見ると非常に精密に描かれ、かつダイナミックな構図に心惹かれる。(よく見ると真ん中を横切る光は神様なんだけど、これはちょっとマンガチック。アメコミみたいでちょっと微笑ましい)
 近づいてみるとダイナミックさの理由が分かる。筆に淀みがないのだ。ためらっている線がない。ゆっくりじっくり描いていては決して生み出せない勢いがそこにある。海の荒々し波のスピードはそのまま筆運びのスピードでもある。
 
 今、世の中の絵に足りないものを見た気がする。


 その後、同じ建物内でやっていた『モダンアート展』を梯子する。
 こちらは、あまりコメントない。
 抽象画と抽象的な立体物がメイン。
 正直物足りない。立体物には、作者のコメントが付けられているものもあったが、言葉でコンセプト説明するくらいならこれらの作品、いらないんじゃないの?と、素人ながら、失礼ながら思ってしまった。この作品から、こういうことをこういうふうに感じて下さい。と言っているようだ。何か本末転倒な気がしないか。
 抽象画見ていて、ああ僕はアート分からんな、と思った。何にも感じられなかったし。
 ロシア絵画で興奮した後だったので、興奮に水差された感じになってしまった。
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by skullscafe | 2007-04-30 21:50 | 展覧会