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『ハチミツとクローバー』10巻

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終わってしまった・・・ハチクロ・・・。生まれてきたすべてのものには必ず終りが来る。寂しいけれど。
なんとなくモヤモヤしたまま終わってしまった感じではあるが、むしろそれこそがこのマンガにふさわしい終り方のような気もする。マンガとしては終わってしまうけれど、キャラクター逹はまだ生きている。そんな感じがするから。

作品名通り、甘くて青クサイまさに青春一杯だった。
恋に悩んだり、将来に悩んだり。嗚呼それが青春(by吉田拓朗)。
たまにドタバタギャグがウルサく、時にエピソードが中途半端で分かりづらかったりもしたけど総じてよい作品だった。
何が良いって作者の実感とか本音とかがちゃんと入っている。
時々入るモノローグやキャラクターが物語上で感じとったこと、それらはマンガ上で起きていることでフィクションなんだけれど血が通っている。だから読んでいる側にも伝わってくる。共感が生まれる。そのキャラクターを通して作者が本当に感じた事だからだ。
物語に実感を練り込むのはとても難しい事だ。外面の良いことを書こうとすると、それはもう醜い程読者にバレてしまう。そして実感のこもってない作品は見る価値は無い。そこいくと、ハチクロは青臭いけれどそれが感じとれる。またストレートな思いだからこそ共感を覚えるのかもしれない。逆にストレート過ぎて嫌いな人もいるかもしれないな。いずれの反応にしても、それは伝わってくるからこそだ。

僕はまだ実感を込めて物語を上手く作れない。
別なマンガだがその作中で
「本当に面白いマンガは」「心が健康じゃないと描けない」
なんて言葉があったが、ナルホド。納得だ。
by skullscafe | 2006-09-09 23:11


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